残薬問題について勉強する

大学生活

残薬が発生する原因

日本では今や75歳以上の高齢者だけを見ても、処方されても飲まない残薬は475億円分にもなると言われています。
残薬はそのまま無駄となり、しかも薬代のほとんどは保険料や税金から出ているので、お金の無駄にもなっています。
残薬が出る原因としては、処方されても飲まないためです。
多く処方しすぎる場合や、患者側が処方されても飲まないケースもあります。

・症状が治って飲まなくなる
薬が残る1つの原因は、処方されても病状が治り、自然と飲まなくなることがあります。
薬は病気であれば飲み、治れば飲まないので、このケースでは問題はありません。

・薬を飲む理由がわからない
この場合は、その薬がどのような効果があり、いつ飲めば良いのか患者がわからないということがあります。
例えば病状が慢性的になって、薬を使っても治らないと、自然と効果が実感出来ずに飲まなくなります。

・副作用が嫌だから
これは意図して飲まないケースであり、薬を飲むと副作用が出るのを嫌がって飲まない場合です。
日中に眠気が出たり、吐き気が出たりと日常生活に支障が出ることもありますので、そのようなことを嫌って飲まなくなります。
さらに意識して飲まないと、病状も改善しないという悪循環にもなります。

また病院側としても、多めに処方するという問題もあります。
その患者の病状は、はっきりと何日で治るとは医者もわかりません。
そのために、足らなくならないようにと多めに処方するのです。

残薬問題の解決法

残薬を減らしていく方法としては、医者と患者がコミュニケーションを図り、意思疎通をしていくことが大切です。
薬の効果がわからないという患者には、医者がしっかりと説明しなければならず、副作用のことも説明して理解させる必要があります。
そして患者側も、薬に対して分からないことがあれば、少しのことでも積極的に質問して聞くようにすべきです。

お薬手帳の活用も残薬を減らすのに役立ちます。
お薬手帳は薬局に持っていくと、飲み残しはないか聞かれますので、残薬があれば処方量を減らしたり、薬を変えたりしてもらうと良いです。
またマイナンバーが導入されたので、マイナンバーで薬の管理をしようという案も出ているようです。

日本は高齢化が進み、今後もますます医療を必要とする人が増え、処方する薬の量も増えていきます。
医療費を減らすために、ジェネリック製薬の推進を政府は行っていますが、それ以上の個人レベルで残薬を減らしていくというのが、医療費の削減や無駄の削減に繋がっていきます。
そして無駄な薬を減らしていけば、患者としても医療費を減らすことが出来、残薬を減らすことは多くの人にメリットがあるのです。